“恋人ナシ”35歳大学教授に聞くマッチングアプリの現実「実は理想的な出会いの場」
新たな出会いの選択肢が増えたことにより、恋活や婚活は大きく変化した。明治安田生命が2022年11月に発表した調査結果によると「5人に1人がマッチングアプリで結婚している」。今やマッチングアプリでの男女の出会いが一般化したことがうかがえる。
話題の一冊『大学教授がマッチングアプリに挑戦してみたら、経営学から経済学、マーケティングまで学べた件について。』(クロスメディア・パブリッシング)は、35歳の“彼女なし”大学准教授がマッチングアプリを実際に体験した感想を交えながら、マーケティングをはじめとしたビジネス教養の基礎を解説してくれる1冊だ。
今回は、その著者である東京都立大学大学院准教授の高橋勅徳氏(@misanori0818)に、マッチングアプリがもたらした世の中の変化を聞き、さらには恋愛市場の今後について予測してもらった。
「出会ってから30分での発言」であ然
高橋氏は著書の中で、パパ活女子と遭遇した体験を記している。書籍で紹介した実例以外で、印象的だった人について振り返ってもらった。
「マッチングアプリで知り合った女性ではないのですが、マッチングアプリを利用して身につけた男性に対する価値観を、日常生活にも持ち込む女性に出会ったことは驚きでしたね。婚活中の女性を知人から紹介してもらいました。
しかし、出会って30分後に『あなたみたいな人が、大学職員なんて良い仕事に就いているのはもったいない』と言われました。意味がわからず深掘りすると、『ブサイクはイケメンからいい仕事を奪わないでほしい』『学生もイケメンの先生に教わったほうが嬉しいはず』という趣旨の発言とわかってあ然としました」
リアルでも冷徹に目の前の異性を評価
さらに高橋氏は「マッチングアプリはさまざまな異性を比較して理想の結婚相手、その女性にとっては“イケメンの金持ち”と出会えるツールです」と語る。
「そこには人間関係のしがらみや情は介在しません。どこまでも冷徹に目の前の異性を評価できるわけです。ただ、それはあくまでスマホの画面越しの感覚です。にもかかわらず、アプリが一般化したことにより、たとえ人からの紹介でも、対面していても同じ態度で接する人がいたことにビックリしました」
リアルな場での恋愛とマッチングアプリでの恋愛は、主に何が違うのだろうか。高橋氏は「職場や学校の恋愛の場合、“一目惚れしていきなり告白する”みたいなレアケースを除きます」と前置きしたうえで解説してくれた。